介護事業に関するさまざまなお悩みをリーガルケア

利用者に係る諸問題

個人情報の取り扱い

個人情報保護法とは

平成17年4月に全面施行された「個人情報の保護に関する法律」が個人情報保護法の正式な法律名です。個人情報保護法は、主に個人情報を取り扱う民間事業者の遵守すべき義務等を定めています。一部の規定については、国の行政機関、独立行政法人等、地方公共団体も適用対象としています。

個人情報の不正利用や情報漏えいに対する社会の不安を軽減し、個人の権利と利益を保護することを目的として制定された法律です。

介護事業者に求められる個人情報の管理
(「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取り扱いのためのガイダンス」厚生労働省、以下「ガイダンス」)

個人情報を取り扱う全ての者は、その目的や様態を問わず、個人情報の性格と重要性を十分認識し、 その適正な取扱いを図る必要があります。介護事業者は、多数の利用者やその家族について、第三者が容易に知ることができない個人情報を把握・知ることができる立場なため、個人情報の適正な取扱いが求められています。

具体的には、事業所の規模や取り扱う個人データの数に関わらず、介護保険法に規定する居宅サービス事業、介護予防サービス事業、地域密着型サービス事業、地域密着型介護予防サービス事業、居宅介護支援事業、介護予防支援事業、及び介護保険施設を経営する事業、老人福祉法に規定する老人居宅生活支援事業 及び老人福祉施設を経営する事業その他高齢者福祉サービス事業を事業者は、個人情報保護に関する他の法律や条例が適用されます。

上記ガイダンスでは、個人情報保護法ふまえて、「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」 (平成28年個人情報保護委員会告示第6号。以下「ガイドライン」)を基礎とし、介護事業者等が行う個人情報の適正な取扱いを支援するため、具体的な注意点や事例が示されています。事業経営者・施設責任者の方は、個人情報の扱いに詳しくなることが不可欠です。

特に、取得した利用者の病歴などの医療情報、財産情報など重要な個人情報の流出は、時には新聞報道などに繋がり、信頼低下に直結します。ガイダンスなどでは、医療・介護関係事業者における個人情報の取扱いについて、取得利用、保管、第三者提供、開示請求への対応等が詳細にまとめられています。

社会福祉士・介護福祉士は、これら個人情報保護法律により守秘義務が定められ、違反時には罰則もあります(1年以下の懲役または50万円以下の罰金)。個人情報は漏洩がないよう、体制整備が不可欠です。

情報漏洩予防のためのSNSやインターネット利用に関する研修の実施

スマートフォンの普及により、個人が世界に向けて容易に情報発信ができる環境になりました。事業所からの貸与、私用の機器の利用のいずれの場合においても、「情報漏洩」の観点からルールを設け、周知・指導の点から研修を行うことが望ましいと言えます。

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