介護事業に関するさまざまなお悩みをリーガルケア

利用者と事業所職員のトラブル

利用者・家族による施設ルール無視

施設ルールに非協力で迷惑行為を繰り返す利用者やその家族に対し、どのような対応をとっていけばよいでしょうか。

1 施設ルールに非協力的な例

利用者や家族が事業所のルールに協力しない例です。「面会時間を守らない」「共用スペースを占拠する」「利用者の家族が他の利用者へお菓子など禁止されている食べ物を差し入れる」といったものです。介護サービスの利用経験に乏しい利用者や家族によっては、理解が乏しい人がいます。

2 迷惑行為の原因を調査

利用者、その家族が迷惑行為を行う原因を調査しましょう。介護職員や事業所に対する不満・苦情を原因にして、問題行為が誘発されていることもあります。苦情や不満対応については、現場の職員において記録に残る形でヒアリングし、上長(所長/事業所長/施設長など)を含めた会議体で「優先度」「緊急度」などランク付けしつつ対応することをお勧めします。

3 ルールの周知・掲示

重要なことは、一度事業者として決めたルールについては、安易な例外を作らないことが必要です。小さなルール違反を許容すれば、ルールを順守する人物が減り、介護現場の風紀が乱れます。そして、違反によって他の利用者の生活やストレス、健康状態に悪い影響を与えることもあります。注意をしましょう。

4 迷惑利用者、家族への説明

日ごろから事業所内へ迷惑行為に関するルールを掲示し、利用者において迷惑行為が続く場合は、厳しい警告や対応が必要となります。また、説明時には録音をして証拠化を行いましょう。入居時の契約書やルールの丁寧な説明を行い、ルールを守らない利用者や家族は施設からの退所やサービス継続ができなくなることを伝える必要があります。

5 利用契約解除

利用者が故意に「法令違反」「著しく上記を逸脱する迷惑行為」をおこない、事業者より再三の説明を行うも改善の見込みがないような場合には、利用解除できる旨の条項を契約書に盛り込んでいることが通常だと思われます。

実際に契約書記載の利用解除条項で「解除権」を行使する場合でも、まずは話し合いを進め、契約違反である旨を先方に伝えます。話し合いによっても応じない、違反行為を繰り返すような場合、弁護士を通じての書面警告など法的な対応が必要になることもあります。

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